まつもとフィルムコモンズとは
私達は松本市で撮影された8mmフィルムを市民から収集し、それをもとに「松本の地域映画」の制作を目指している市民団体です。「地域映画」の上映や座談会を通して、世代や背景の異なる人々がお互いの言葉に耳を傾け、自由に語り合う場、という意味の「共有地(コモンズ)」づくりに向けて、10代から80代まで約20名の松本市民が参加しています。

2022年発足、2022年8月にはクラウドファンディング「松本の8mmフィルムを救済し、地域映画としてよみがえらせたい!(Ready for!)」が成立。
信州アーツカウンシルの助成も受け、松本の地域映画「まつもと日和」を制作しました。
2023年2月25日(土) 26日(日)には松本市中央公民館にて完成上映会を開催、市内外から合計950人のお客様に足を運んでいただきました。


そして2023年度は、完成した「まつもと日和」を多くの皆さまに観ていただくべく、上映会の開催や市民上映のための映像の貸し出しを行なっています。
上映会の開催と並行して、次回作の制作に向け、8mmフィルムの募集とデジタル化を進めています。
松本市梓川小学校では、小学生の皆さんと地域映画を作る講座「梓川映画学校」が進んでいます(2023年12月完成予定)。
次回作の制作費の調達の目処はまだついておらず、上映会の入場料やオンライン配信の収入を制作費に充てるほか、個人・法人・団体等の皆様からのご支援を受付ています。
「長野県みらいベース」でも、2023年7月末、寄付の受付を始めました。(12月末までの期間限定)
8mmフィルムについて
8mmフィルムとは高度経済成長とほぼ同じ時期、昭和30年代から50年代にかけて一般に普及した映像記録媒体です。
その多くは一般市民が撮影した「ホームムービー」と呼ばれる家庭の記録でした。市井の人々の小さな営みが、その時代の空気感とともに閉じ込められた8mmフィルムは、日常生活の貴重な記録として、また、街の移り変わりを伝える映像史料としても、新たな価値を持ち始めています。
地域映画とは
「地域映画」とは、そんな8mmフィルムに魅せられた松本市在住の映像作家・三好大輔さんが提唱する、古くて新しい映画のジャンルです。
まずは映画を制作する地域で、一般家庭の押し入れなどに眠る8mmフィルムを募集。ハイビジョンのデジタルデータに変換し、膨大な映像の中から一本の映画を作り上げます。
撮影者や家族へのインタビューに加え、地元の子ども達や住民も合唱や音楽演奏という形でBGMづくりなどに参加する、とてもユニークな作り方の映画です。



地域映画の価値
三好大輔さんが地域映画の第1作を発表した2009年からこれまでに、日本各地で17本の地域映画が制作・発表されました。

日本各地で制作されたこれらの映画はそれぞれの地で、回想法や地域教育に活用されています。
地域映画は世代や地域を超えたコミュニケーションの核となり、地域と人、人と人を繋ぐ「地域の遺産」になっています。