活動内容

まつもとフィルムコモンズとは

私達は松本市で撮影された8mmフィルムを市民から収集し、それをもとに「松本の地域映画」の制作をしている市民団体です。「地域映画」の上映や座談会を通して、世代や背景の異なる人々がお互いの言葉に耳を傾け、自由に語り合う場、という意味の「共有地(コモンズ)」づくりに向けて、10代から80代まで30名以上の松本市民が参加しています。

2022年度キックオフ!

2022年6月発足。市民に呼びかけ、集まった8mmフィルムは計345本。これらをもとにフィルム提供者さんのインタビューや市民が奏でる音楽などを加え、松本の地域映画『まつもと日和』を制作しました。
2023年2月25日(土) 26日(日)には、松本市中央公民館Mウイングにて完成上映会を開催。市内外から約1000名のお客様に足を運んでいただきました。

2023年2月27日松本市中央公民館での完成上映会の様子、上映前の合唱披露
2023年2月25日(土) 松本市中央公民館での完成上映会の様子 上映前の合唱披露
2023年度キックオフ!

2023年度は、完成した『まつもと日和』を多くの皆さまに観ていただくべく、上映会の開催や市民上映のための映像の貸し出しを実施。「もう一度観たい」「何度もリピートしたい」という方々に向けて、オンライン配信も始めました。

上映会の開催と並行し、次回作の制作に向けて8mmフィルムの募集とデジタル化も継続。地域映画の鑑賞と座談会を行うイベント「8mm映写室」、松本で集めた8mmフィルムをお喋りしながら鑑賞する毎年恒例のイベント「ホームムービーの日2023 inまつもと」も開催しました。


新たな活動としては、松本市梓川小学校で、小学生の皆さんと地域映画を作る講座「梓川映画学校」を実施。8ヶ月にわたって映画づくりを行い、約25分間の映画『梓川の映画学校』が完成しました。

12月には『まつもと日和』が「東京ドキュメンタリー映画祭2023」長編コンペティション部門に選出。新宿K’s cinemaにて2日間上映されました。

これらの活動を評価していただき、私たち「まつもとフィルムコモンズ」は、地方新聞47紙とNHK、共同通信社が地域に活気をもたらす優れた活動を表彰している「地域再生大賞」の長野県代表に選出され「第14回地域再生大賞優秀賞」を受賞。

また、高校生メンバーが制作した『まつもと日和』のドキュメンタリー番組『つなぐ』は、第47回全国高等学校総合文化祭文部科学大臣賞を受賞。第2作『8ミリがつなぐあの日の記憶』も第70回NHK杯全国高校放送コンテスト長野県大会テレビドキュメント部門優秀賞を受賞しました。

2024年度キックオフ!

2024年度は、地域映画の第2作『まつもと日和2』の制作を本格始動。前作を超える347本の8mmフィルムが集まり、松本の小学生から高校生、大学生、社会人まで、多くの市民が映画づくりに参加。10月26日・27日の2日間、信毎メディアガーデンにて完成上映イベントを開催します。

8mmフィルムについて

8mmフィルムとは高度経済成長とほぼ同じ時期、昭和30年代から50年代(1955〜1975頃)にかけて一般に普及した映像記録媒体です。

その多くは一般市民が撮影した「ホームムービー」と呼ばれる家庭の記録でした。市井の人々の小さな営みが、その時代の空気感とともに閉じ込められた8mmフィルムは、日常生活の貴重な記録として、また、街の移り変わりを伝える映像史料としても、新たな価値を持ち始めています。

美鈴湖スケート(昭和38年)
松本城・児童遊園地(昭和39年)
井上百貨店(昭和37年)

地域映画とは

「地域映画」とは、そんな8mmフィルムに魅せられた松本市在住の映像作家・三好大輔さんが提唱する、古くて新しい映画のジャンルです。

まずは映画を制作する地域で、一般家庭の押し入れなどに眠る8mmフィルムを募集。ハイビジョンのデジタルデータに変換し、膨大な映像の中から一本の映画を作り上げます。

撮影者や家族へのインタビューに加え、地元の子ども達や住民も合唱や音楽演奏という形でBGMづくりなどに参加する、とてもユニークな作り方の映画です。

フィルム提供者さんと内容の確認をする様子
「まつもと日和」に使用するロトスコープ制作に協力中の清水中学校美術部の生徒達
信州大学学生と3日満月による松本市歌の録音の様子(「まつもと日和」BGM)

地域映画の価値

三好大輔さんが地域映画の第1作を発表した2009年からこれまでに、日本各地で17本の地域映画が制作・発表されました。

日本各地で制作されたこれらの映画はそれぞれの地で、回想法や地域教育に活用されています。

地域映画は世代や地域を超えたコミュニケーションの核となり、地域と人、人と人を繋ぐ「地域の遺産」になっています。

活動資金について

「まつもとフィルムコモンズ」は2022年の発足当初から、個人および企業様からの協賛やクラウドファンディングによって活動資金の調達を行なっています。
また、「信州アーツカウンシル」による支援・助成を受けています。


2022年度


2023年度


2024年度

2024年(令和6年度)の活動資金は、現在もご支援を募っています。
個人・法人・団体等の皆様、ご協力をどうぞよろしくお願い致します。