8㎜フィルムのお預かり、そしてブルーフィルムの発見


松本フィルムコモンズをお手伝いしています、信州大学人文学部の学生Sです。

先日は、松本市民の方々から、大切な8㎜フィルムをお預かりする仕事をお手伝いしました。

たくさんの8㎜フィルムが集まり、この日は84本も集まりました!! 

ありがとうございます!

来てくださった方から、フィルムがコモンズへやってきた経緯、どのように撮られた映像が入っているのか、映像にまつわるお話などをお聞きしました。

(午後に持ち込まれた45本の8㎜フィルム。ナンバリングをして整理する。)

フィルムたちはとても奇麗な状態で保管されていました。ナンバリング作業もしやすく、この人がどのように整理したのか作業をするうちに分かってきて、会ったこともない人の思考を追体験するような不思議さがあります。

8㎜フィルムへの愛が感じられました。

「映像を撮られた親父が亡くなってからは、見返すこともほとんどなかった」と持ち込まれた方のお話をお聞きしました。

「個人的なフィルムでも良いって聞いたから」と見せてくださったのは、新築を建設する過程の映像でした。

地鎮祭のシーンでは、「ああ、これ母親だ。それで、こっちはおばばだ」と指をさして教えてくださりました。

柱が立ち、屋根が作られ、徐々にできあがる様子を皆で囲んで鑑賞して楽しかったです。

「親父がテープを切ったりして編集してるのを、しょっちゅう隣で見てたりして。中学生の頃は、俺も親父のを借りてちょっと撮ったりもしたよ」

8㎜フィルムにまつわる思い出や、持ち主であるお父様のお話から、家業の話、学生時代の話、野球の話、サッカーの話など話題は尽きません。

クリーニングとナンバリング

お預かりしたフィルムは、まずナンバリングして整理します。

マスキングテープに番号を書きフィルムとケースに貼っていきます。

次に、エタノールで湿らせたコットンで磁気テープを拭いていきます。

すると、外箱になにも書かれていない内容不明のフィルムが数本……。

これは一体……?

内容が分からないとリスト化できません。

さっそくエディターで確認してみることに。

「こっ、これは! ブルーフィルムだ!!」

(こんなにハイテンションではありませんでした)

ブルーフィルムが何かまったく知らず、そういう種類の8㎜フィルムだと思いました。

しかしそうではなく、えっちなビデオ(フィルムバージョンだったのです。

青、という色があまり結びつきませんが、ピンク色がえっちな色だと言われるのは日本特有だそうです。

持ち込まれたフィルムの中に、まさかえっちなフィルムが紛れ込んでいるとは。

好奇心から、思わず「見たい見たい」とエディターに駆け寄ってしまいました。

はしゃぎながらブルーフィルムを回す大学生3年生、夏のある日。

8㎜フィルムを集めていると、こんな出来事にも遭遇してしまうのですね。

(ブルーフィルムを囲んで盛り上がる学生)

「昔の映画人は、ブルーフィルムを撮影することによってお金を得ていた」と三好さん。

「10分の内、何割以上えっちなシーンがあればブルーフィルムとして売れた。あとは自由に物語をつくれるから、そこに映画のエネルギーを注いでいた」

思いがけずブルーフィルムの知識を得たところで、本日の作業は終わりました。

ブルーフィルム以外にも、松本フィルムコモンズにて、私たちは日々新しい発見をしています。

着実に松本のための地域映画が製作されているんだと実感するとともに、そこに自分が携われていることがとても嬉しいです。

クラウドファンディングの終了まであと2週間ほど!

All-or-Nothing方式のクラウドファンディングを採用しています。

そのため、目標金額を達成できなければ集まった支援金を受け取ることができず切ないことになってしまいます……。

現在の達成率は90%です。

期限は8月31日まで。

8㎜フィルムは、一本一本が貴重な価値を持っています。

大切な記録を後世に残していく活動をぜひ応援してください!