応援コメント

松本フィルムコモンズのポスターを持つ是枝監督
是枝裕和さん

映画監督

いつか失われてしまう8ミリフィルムを発掘し、再生し、記憶として共有する。それはきっと、地域社会の財産として 街を 人を 豊かに繋いでゆくはずです。この素晴らしい取り組みを 心から応援しています。

山崎貴さん

映画監督

本来なら消えていってしまうものを繋ぎ止めることは、この先何年か経ったとき、その大切さが再評価される仕事だと思います。それをやれる最後のチャンスがいまなのかもしれませんね。更に50年後100年後の未来につながる活動、頑張ってください。

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とちぎ あきらさん

フィルムアーキビスト

今はスマホの動画で、わが子の成長を記録するのが普通ですが、かつてはフィルムをカメラに装填しては撮影し、現像に出してはでき上がった映像を見る、という時代がありました。「ホームムービー」というように、その上映は一家だんらんの時間を彩っていたに違いありません。内容は決して身近な日常に限ったものだけではありません。旅行とか運動会とかお祭りとか、むしろハレの日を写したものが多かったのではないでしょうか。普段とは違うワクワクとした気分が、撮影意欲をそそっていたのかもしれません。 

かつての街や人びとの姿がしっかりと記録されているに違いない「ホームムービー」なのに、何でこれまで忘れ去られてきたのでしょうか。答えは簡単――フィルムは今では簡単に見ることができないからなのです。

 映像作家の三好大輔さんが全国各地で進めてきた「地域映画」という活動は、家々に埋もれたままの「ホームムービー」をみんなで発見し、一緒に鑑賞し、そのフィルムを素材にして、地域に暮らす人たちから聞き取ったさまざまな情報を織り込みながら、みんなで新たな「ホームムービー」を作っていくという実験です。映画作りを通して、新しいコミュニティが生まれ、映画が人々をつなぐ宝物になっていくのです。 

この活動ののろしが、長野県松本市でも揚がりました。信州大学の学生有志など、10代から80代までの市民が参加したまつもとフィルムコモンズは、まさに異なる世代のメンバーが映画によってつながった新たな共同体として、「地域映画」作りを担うにふさわしいヒューマン・プラットフォームと言えるでしょう。ささやかな「ホームムービー」の映像を通して、その場に生きてきたことが、そして今もその場で人と一緒に生きていることが大切だと思えるようになる――地域が元気になるとは、そういうことではないでしょうか。 

金井 直さん

信州大学人文学部教授

よみがえった8mmフィルムの上映会に参加するたびに、私が深く感じるのは、イメージのもつ根源的な媒介性です。知らない誰かの過去の記録、それも日常的な情景の断片に、なぜ私はかくも心動かされるのでしょう。そのことをなぜ、他の参加者と語り合いたくなるのでしょう。

そして、その映像を、なぜ未来の誰かにも届けたいと心から願うのでしょうか。まつもとフィルムコモンズの活動は、単なる記録収集や、抽象的な文化の保護ではありません。むしろ人が現在・過去・未来の、ほかの誰かの存在につながり、応えながら生きていることの証を私たちに授けてくれる大切な実践です。活動に参加する学生たちにとっても得難い経験の機会となっています。

今回のクラウドファンディングをひとつの契機として「コモンズ」の輪がさらに広がり、より多くの方々にとっての共感・想起・想像の場となることを願っています。

小笠原 じゅんこさん

竹8シネマプロジェクト

松本のみなさん、はじめまして。大分県竹田市で竹8(タケハチ)シネマプロジェクトのリーダーを務めていた小笠原じゅんこです(当時 地域おこし協力隊)。

竹田市は大分県の中でも阿蘇に近い中山間地で、日本一、二を争う高齢化率・・8ミリフィルムが使われていた時代の賑やかさは影もない超過疎地です!だからこそ、素晴らしい暮らしが今も残る地域なのですが「今では失われつつある地域への誇りを取り戻し、若い世代へその想いを繋いでほしい、私ももっと地域のことを知りたい!」そんな想いでプロジェクトを立ち上げ、実行委員会の皆さんと三好大輔さん、そして市民の皆さんと共に日々奮闘、駆け抜けました!

プロジェクト実施期間は2年、構想準備も含め3年弱でしょうか・・この竹8にかけた日々の時間は、竹田でこれからも暮らし、地域と共に生きる力になっています。松本市の歴史、かつての暮らしが蘇ることで生まれるものとは、一体何でしょうか?今からワクワクしますね!

8ミリフィルムの中に眠っているエネルギーと、今を生きるみなさんのエネルギーが未来へ繋がり、みなさんが地域で生き、地域が成長することで、世界が今よりもよくなることを心から祈り、松本のプロジェクトを応援しております。完成しましたら、ぜひ拝見したいです!