小学生たちと一緒に地域映画をつくる「梓川映画学校」プロジェクト、今回は9月28日〜29日の2日間にわたって効果音教室が行われました。講師はフォーリーアーティストの、滝野ますみさんです。
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皆さんは、「フォーリー」ってなんだかわかりますか?映像を再現しながら、それに合わせて動作音を録音する手法をフォーリーと呼びます(音響製作者ジャック・フォーリーさんの名前がその由来だそうです!)。
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8mmフィルムは、基本的に無音です。5年3組の子ども達がこれまでに集めた8mmフィルムの中から、いくつかの場面に自分たちで音をつけることを体験します。
前もってzoom授業で滝野さんの説明を受け、課題映像をもらっていた5年3組の子ども達。班ごとにこの日に向けてたくさん話し合い、イメージを膨らませてきました。
「牛車の音ってどんな音?」「昭和30年代…地面はどんな感じ?」「履き物は?」白黒映像の昔々の世界を想像してみます。滝野さんの「とにかくいろいろ試すことが大切」というアドバイスを受けて、いろんな素材を試してみたようです。
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効果音教室1日目は、まずは録音です。班ごとに受け持った場面に音をつけていきます。
牛車のキィキィ鳴る車輪の音は、学校にあった地球儀を2つ使って。回す速度や方向、右回りか左回りかで音が違うことも発見しました。
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風の音も、協力しながら入れていきます。「もう少し遠くで鳴ってる感じかな」とか、8mm映像を見ながら、真剣な眼差しです。
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遠くで鳴る祭囃子の音、衣擦れ、足音、木々を揺らす風の音も、場面によっていろいろ試してみます。
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片栗粉と塩を広げた上に、ダンボール箱を滑らせてソリの音!乗ってる人の重さを表現するため、重さの違うソリを何台か用意しました。
まだまだ、紹介しきれないほどの工夫とチャレンジがたくさんの、録音現場でした。
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2日目は、ミキシングの体験です。
前日に録音した音を聞きながら、1人ひとりが音のバランスを操作して決めていきます。今まで触れたことのない音響装置を触る子ども達の、緊張とワクワクが伝わってきます。
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同じ音でも音量を変えることで、例えばお祭りの前と後のような物語性が生まれることを、それぞれが体感し表現する貴重な体験になったと思います。
いろんなアイデアや意見が活発に出て、予想以上にスムーズに進んだ2日間でした。講師の滝野ますみさんにはzoom授業も含め、準備段階から本当にお世話になりました。
最後に班ごとの講評のあと「みんなアイデアも発想も素晴らしいし、それを最後のミックスまでやり遂げることが出来て本当に良かった。みんなの気持ちがのってるから、意見が出て表現が伝わり、良い作品が出来た。これからも、一から自分で考えて何かものを作る時、気持ちをのせたものは必ず伝わります」とのコメントをいただきました。
この日に向けて何度も映像を見る中で、50年前の梓川の風景・暮らしに関心を寄せて、たくさん準備を重ねてきた子ども達。「積み重ねてきた時間が映像に表れていて、一つ一つの音の向こう側に物語が見えてくるような2日間だったと思います」と、三好監督。
自分たちが生まれていない頃の梓川の様子を想像しながら、その時代の音をつくる。それはまさに遠い昔と現代のコラボレーションで、地域映画作りの原点のようなものを感じました。
子どもたちの映画づくりは、これから音楽教室や予告編制作へと続きます。2023年12月の映画完成が、とても楽しみです。(千絵)