まつもとフィルムコモンズ応援団〜ヤマベボッサさんインタビュー


ヤマベボッサさんは、8mm上映会の際にケータリング出店してくださったり、今回のクラウドファンディングのリターン品としてユニークなリターン品「コーヒー豆焙煎体験」などをご提供いただくなど、私たちのプロジェクトを強力応援してくれているカフェです。

「ヤマベボッサ」の店名が表すように、松本市の里山辺地区に位置する民家にボサノヴァが流れ、畳の上でゆったりのんびりと時間を過ごすことができます。

食の安全にもこだわり、珈琲の焙煎や自家製パンなどなんでも自家製で作る他、ご自身で野菜や稲を栽培したり有機栽培を実践する農家の援農をしたりと、とってもアクティブなお二人です。

今回はお二人に「地域映画」について、お聞きしました。

Q⒈ 「地域映画」を知ったきっかけから教えてください

三好大輔さんとは、もともと「ヤマベボッサ」の前、東京の谷根千で営んでいた「ヤナカボッサ」時代からの知り合い。

お客様としてよく来てくれていて、大輔さんが教える大学の生徒さんが撮影場所としてお店を使ったりなんてこともあったね。

そして、8mmの映像に関していえば、谷中時代から、『地域雑誌 谷中・根津・千駄木』という、コミュニティー冊子の元祖のようなメディアを通じて、「映画保存協会」(映画フィルムを文化財として保存する活動に取り組んでいるNPO法人)や、「ホームムービーの日」(地域や家庭に眠る映画フィルムを持ち寄り内容問わず上映する国際的な記念日)を知って、見に行ったり、注目していました。


Q2. 「地域映画」を初めて見たときに感じたことを教えてください。

初めて大輔さんの「地域映画」を見たのは、長野県頑張るアーティスト応援事業「繋(つながり)」の題字を書かせてもらった時だと思う。

古道具屋で知らない人のアルバムを買ってしまうくらい、見知らぬ家族の写真を見たりするのが好きなので、それと通じるものを感じた。

–見知らぬ家族の記録を見て面白いっていうのは、どんな部分を見ているんでしょう?

古道具や着物を見ているかな。

アルバムの場合だと、ご家族の顔を覚えて、あ、この子また出てきた、とか。

あとは、もともと古い小説を読むのが好きというのもあって、小説で出てきた描写が画になって見える楽しみもあるのかも。


Q3. 何本も見るうちに感じた、最初の印象とは違った魅力などがありましたら、教えてください。

作品毎に時代や場所はまちまちでも、共通して感じるのは当時の暮らしの中にある達成感というか、生きる実感のようなもの。

8mmに納められた映像は基本的にハレの日・特別な日の幸せな映像だけれど、日常のささやかな喜びがいきいきとしていて、それと比べると今、感情すらも薄ぼんやりとしてきてしまっているんじゃないか?と思う。

自分の能力を存分に生かしてシンプルな暮らしを営んでいた、昔の映像からはマンパワーを感じる。

以前、大輔さんに編集の時に意識していることを聞いたことがあったのだけど、人が生きるうえで感じる普遍的な喜びを意識していると言っていて。

それは今の人とも共有できるものだね。

昔と今、どっちが良いとして観ている訳でもないのだけど。


 –座談会を通じて感じたことなどもあったら、教えてください

そこにいるみんながアウトプットできるよね。

(開催規模が小さいこともあって)収益も期待できないけれど、それでもあの規模でやるからこその良さ、喋り合えるから楽しいというのを感じる。

そして、それを続けることは大変だと思うけれど、三好夫妻の志を感じる。

こう言うと、大げさになってしまうかもしれないけれど、効率や経済性を優先してしまう今へのアンチテーゼになっているとも思う。

「地域映画」自体が、市井の人々の日常を記録するもので、お上から押し付けられたものではなく、民衆の目線から見た時代を映す作品だから、「地域映画」も「座談会」もメインカルチャーに対抗する、カウンターカルチャーと言えると思う。


Q4. 松本の「地域映画」に期待することがあったら教えてください

今、松本市は交通政策を進めようとしていて、今後の街のあり方について考えている時。昔の松本市街地のことを想像すると、今よりもっと街中を歩いて楽しめる街だったのじゃないか?と想像しているんだけど。

農村部と市街地の関係のあり方についてなども、未来志向でやっていくためのヒントがあると思うんだよね。

(具体的に例を言えば)市電の走る街の風景とか、人がどんなふうに街を歩いているかとか。


Q5. 他に何か言いそびれたことがあったら、教えてください!

「まつもとフィルムコモンズ」が結成されて、「地域映画」を1本作って、そのままその市民の繋がりが終わってしまうのではなく、小さな規模でも続いていくと良いよね。

「地域映画」は子供たちが授業で見たりするのにもとても良いと思っている。出来上がった作品を活用し続けていけると良いな。

 

–おふたり共、地域映画の魅力がさらに深まるコメントの数々、ありがとうございました!

※ヤマベボッサさんは、8月20日に松本・深呼吸にて予定されている「8mm映写室 #12 浦賀の映画学校」でのケータリングも担当してくれます!(8mm映写室は、要予約/予約受付中)