梓川映画学校レポート Vol.7音楽教室と予告編づくり


小学生たちと一緒に地域映画をつくる「梓川映画学校」プロジェクト、今回は10月18日・19日の2日間で、「音楽教室と予告編づくり」が行われました。講師はミュージシャンの、3日満月さんです。

1日目は、予告編に使う音楽づくりと録音です。

この映画の予告編では、自分たちの小学校の校歌を使います。

最初に3日満月の権頭真由さんと佐藤公哉さんに、音楽ができるまでの過程をレクチャーしていただきました。

作曲・作詞→編曲・アレンジ→演奏・打ち込み→録音→編集(ミキシング・マスタリング)という作業があり、この日は、編曲から録音までをみんなで行います。

3日満月さんは、「どんな感じの曲調にしたい?」「歌の始まる前に前奏は入れる?」「それにはどんな楽器がいいかな?」「学校には何の楽器がある?」など子どもたちのアイデアを引き出しながら、みんなで曲の流れをまとめていきます。

その結果、校歌の1番は静かなイメージ、間奏から2番にかけてどんどん盛り上がる感じで、賑やかな楽しい曲調にすることがきまり、2つのチームにわかれて、演奏する楽器や表現方法をさらに深めていき曲を完成させることになりました。

子どもたちと先生は、音楽室や学校中を探して、イメージに合いそうな楽器を集め、曲のイメージにどの楽器が合うか色々と試しながら、パートを決めていきます。権頭さんの提案で、授業で習いたてのアコーディオンにチャレンジしてみる子も。

こうして、イメージに合わせたメロディやリズム、曲調が変化する1番と2番をつなぐ間奏の鍵盤ハーモニカの演奏など、アーティストならではのテクニックを教わりながら、普段歌っている校歌が映画音楽へと生まれ変わっていきました。

チームごとに練習をした後はいよいよ録音です。権頭さんの指揮によって、一見するとバラバラに思えた音たちがひとつのまとまりと流れをもった作品へと形創られていく様は、これまでの「音楽」の概念をバッサリと打ち砕くような衝撃でもあり、なんとも表現しがたくも自由で、ユニークで、とにかく楽しい世界でした。

さぁ一体どんな音楽が出来上がったのでしょうか?

そして迎えた2日目は、昨日完成させた音楽と映像をまとめていきます。

まずは3日満月の佐藤さんが昨日録音した音をどのように加工していったか,機材を使って説明してくれました。音が波形になってウネウネと動いていたり、チャンネルを動かすと1つの音だけが大きくなったり変化したりします。

この音に映像をあわせて予告編を完成させるため、細かく分けた校歌のフレーズを紙に印刷し、お祭りの様子や自分たちの小学校が映った映像など梓川地区で集めた8mmフィルムの100カットから、ぴったりだと思うものはどれか、1シーンに何カット映像を入れるか、どの順番にするかも、グループごとに話をして決めていきます。

全て選び終わったら、1グループずつ映像を選んだ理由を発表し、その場で監督が画像と音を編集し、みんなで観てみます。

どのシーンも音と映像が合っていて、自然と拍手が生まれました。

そして、ラストの部分はどんな映像をつけるのか、みんなで話し合います。

「映像は無いまま自分たちの声だけで終わらせたい」「フィルムの最後みたいな画像にしたい」などいろいろな意見が出て、いくつかの案を試してみました。それぞれが良いと思う理由をプレゼンし、監督と一緒にみんなで考え、最後は満足のいくエンディングとなりました。完成した予告編をみんなで鑑賞し、映画が完成にまた1歩近づいたワクワク感で、教室が拍手と温かい空気に包まれました。

三好監督からも2日間を振り返ってみんなにメッセージがありました。

「みんな思い切りよくどんどん選んでしっかりと理由を発表してくれて良い作品ができました。今日の予告編で使った8mmフィルムの映像は、最初は5時間25分あって、それを15分に選び、それを100カットに分けました。みんなに今日やってもらった編集というシーンを選ぶ作業は、長いものにもみんなが選んだ短いものにも1カットを選ぶ時は必ず理由があります。みんなが観ているYouTube動画などもそうやってできています。今日はその気持ちを覚えてもらいたいと思います」

子どもたちの心にもしっかり残ったのではないでしょうか。

次の授業は編集教室になります。

12月の完成に向けて、ラストスパートです!(駒橋)